なぜ住宅性能は大事か?~エコをめぐる冒険その2~
お家をご検討の皆さま、こんにちは!
前回、禅問答のような答えのないお話しを書いた飯塚です。笑
詳しくはコチラをご覧ください。
https://sendai.asahi-alex.co.jp/home/2021/07/19/
昨今の住宅事情で、
エコと言えばもっぱら太陽光発電です。
最近、太陽光発電の発電コストが、
原子力発電の発電コストを下回ったというニュースを耳にしました。
太陽光発電の次なる課題は、
“山や谷、森の多い日本で、
どこに太陽光パネルを設置するか?”だそうです。
新たに山や森を切り開いて
パネルを設置しては本末転倒です。
住宅の屋根に乗せるというのは、
エコに対する一つの回答になるのだと思いました。
・・・しかし・・・
ここでもう一つ、“問題”が生まれます。
前回のブログでお話しした通り、
エコの近道(本質)は
「小さなエネルギーを効率よく回す」ということです。
かねてよりアサヒアレックスが大事にしている
「設備に頼らない省エネルギーハウス」というテーマにとって、
「太陽光パネル」は設備にすぎません。
「大量に消費した電気を太陽光発電で補う」というのは、
「小さなエネルギーを効率よく回す」というコンセプトに、
ガッツリ矛盾してしまいます。
WHOは2018年11月に
「最低室内温度が18℃を下回る家は、
住んでいる人の脳を壊し、寿命を縮める」と強く勧告しました。
健康的な生活を守るためには、
住環境の年間平均8℃の温度差を埋めるように、
空調を動かし続ける必要があります。
実は、国の定めるZEH住宅の断熱性能のレベルは、
世界的に見ても、とても低いレベルだと言わざるをえないのです。
ZEH基準の断熱性能は、仙台でUA値0.6 w/m2k以下です。
HEAT20のG1レベルのUA値が0.46w/m2k。
G1レベルは「無暖房の室内が10℃を下回らない(年間平均気温)レベル」で
設計されていますので、住宅性能を上げながらも、
しっかりと空調で暖かさの補給を行うことが必要です。
実は、日本のこの住宅レベル、(ZEHレベル)
住宅の省エネ意識レベルの高いEUの国々だけでなく、
同じくアジアの国々(具体的には中国、韓国)から見ても
劣っているレベルです。
(中国の一般的な新築住宅はUA値で0.46w/m2kが普通の性能だそうです。。。
HEAT20のG1レベルですね・・・
年間平均気温によってはもっと上のレベルかも・・・?)
具体的に起こるだろう問題を上げると、
「ZEHレベルでは、誰もが暖房で電気を使う
“冬場の夜間最大電力”を抑えられず、
各地で電力不足による停電が頻発するようになる」
ことが考えられます。
夏場の台風のように、
停電が冬の風物詩になるようでは
元も子もないです><
(住宅での死亡事故の発生場所が
“冬のお風呂場”から“冬の寝室”になる可能性も・・・)
住宅性能を上げるということは、お住まいになる方の
ランニングコストを下げるメリットだけでなく、
地球規模でのエコを実現に近づけることにもつながります。
太陽光パネルをご検討の方は、
是非、住宅性能と発電をセットで
考えるようにしてみてください。
くれぐれも、安易に「太陽光パネルが標準で付いてきます!」
という言葉に踊らされず、しっかりと、
「平均のUA値はいくつですか?数字で教えてください。」
の質問を投げかけてください。
(C値も聞いて頂けると、よりGoodです!)
皆さまが良いお家を建てられるよう、
心から祈ってやまない、飯塚でした。
アサヒアレックスでお配りする「外皮性能計算結果」
大事な話なのですが・・・
毎度長すぎるブログで申し訳ございません(汗)